科学的な法則について

 ここ何年か技術の仕事をする中で、基本的な科学理論に対するスタンスが仕事の進め方にも影響を与えているような気がして自分自身のスタンスをはっきりとさせておこうと思う。この内容は、社内の方のブログに移すかも知れない。

・法則について
 ある法則が一般的だとして、それはその法則についてだれも論理的に反論できたり、証拠を示すことができないから、それ以外に解釈ないよね。という意味で納得しているに過ぎない。古典的な理論はバグ取りがされているから使えると言うこと。
 だから、最新の研究だと、固まった理論がないからいろんな人がいろんなことを言う。中にはとんでもないようなことを言う人がいるもので、それはそれで発想自体が面白かったりする。

・理想的状態と言うもの
 前にも書いたかも知れないが、すべてが同じ状態(条件)ならば同じ結果なる。ことを認めるのが科学を認めることだと思う。つまり、ある一定の条件(理想的な状態と言う。)で出てくる答えは1つしかないということ。
 これが、学校で習う内容で、問題を解くということ。でも実際には、学校で習う内容は実際に起き得ない。たとえば、厳密にいえば車が一定のスピードで進んでいることはありえない。じゃあ、車が本当の意味で現地に着く時間はわからないじゃないかという話になる。そこで、出てくるのが統計の話。
 まあつまり、学校(正しくは高校までかな?)でやるのはある意味、おとぎ話のようなもの。

・工学部
 大学で工学部に入ると急に実践的になり、ここは一般的に3倍の余裕を見て計算します。とか、なんとも大雑把な感じになって驚いてしまった。*1。この分野は、本当に過去の実績の積み上げ見たいもので、前にそうだったからそうするみたいなところが強い感じを受ける(データには膨大な量の実証実験の結果があるんだけどね。)

・現場でのどうしているか
 実際に、品質評価する上では必ずも元々の条件にばらつき(誤差)が出てしまうけどどうするの?と言う話になる。それに対する答えは、ばらつきが出るのはしょうがないからばらつきを管理できるようにして、そこから得られる結果がどれだけずれてくるか把握しているばOKでしょ。と言うのが品質工学というもの。
 社内の講義があって、その理論の使い方は教えてくれるのだけど、どういうときに使うといいとか、他の理論とどうスタンスが違うかという話がされていないので、どう共有化されているか不明。

・仕事で
 ある法則が一般的になっているとすると、それがバックアップのデータが取られているきちんとした法則なのか、その人が勝手に思いついた法則なのかが、すぐにはわからないのが悩み。そういう状態ということは、自分で最もらしいことを主張しても通ってしまうということ。まあ、実際の使用条件でのテストはしているので問題ないのだけれど、理論で的な積み上げになってないので科学、もしくは、技術的に進歩していないのではないかと思う。もちろん、新しい物は(総当り的に実験をして)開発しているので、新商品は出てくるのだけれど。
 決してアカデミックな場ではないので悪いとは言い切れないのだけれど、長期的に見るとやはり不利になってくるのではないかと感じる。急に、理論とデータを揃えると、過去のデータを引っ張ってこないといけないので大変(判断の結果だけが残っていて細かいデータが残っていないこともある)なので、今からは早めに環境だけでも整えられるといい。
 過去のデータを参照して理論のバックアップデータを確認することを自分だけやっていると、自分の仕事だけ遅くなって不利でしょうがない。要領良く進めることが大事なのかな?ジレンマ。

・追加
科学原理主義過ぎて困る。でも、科学で説明できないから違うと断言することは絶対にない。もちろん、現状の理論で説明できないことを、強引に説明しているとそれはおかしいと思う。理論が拡張されるかもしれないし。
 あの結晶を作る話*2はおかしいけど、結晶の作られる条件が一定にしてあるのであれば、張ってある言葉によって作業者の行動が代わることの証明になるのではないか思う(当たり前だけれど、そういう実験の実績あるのだろうか)。物理学というより、心理学、社会学の分野の実験として面白いね。

*1:ちょっと大げさに書いたけど安全率の話

*2:水は知っているだっけ?